【海外送金】中国で稼いだ人民元を日本に送金する方法【2021年12月版】

私は中国上海市で働いている日本人駐在員です。先日、中国で稼いだ「人民元」の一部を日本の銀行に送金しました。

中国は外貨両替・国外送金が厳しく規制されていて手続きが大変です。ネット上で検索しても必要な情報は全く無く、多くの銀行係員も送金規制について理解していません。何とか一部金額を送金出来たので、経緯や手続き等をまとめました。

※記載したのは2021年12月 銀行担当者に聞いた内容です。外貨両替・国際送金は銀行・金額によって必要な手続きが異なります。送金する際は必ず自身の銀行にご確認ください。

概要(送金額、利用銀行)

今回の送金額・利用した銀行・手続き日は下記の通りです。

  • 12月10日 みずほ銀行に海外送金(受取)の事前連絡。
  • 12月16日 上海浦東発展銀行で外貨両替・国際送金手続き(140万元)→資料不備でNG
  • 12月20日午後 中国銀行で外貨両替・国際送金(40万元)
  • 12月22日午前 みずほ銀行着金。メールで資料送付後口座に入金
  • 12月22日午後 中国銀行で外貨両替・国際送金手続き(約76万元)→両替OK、送金はNG
  • 2022年1月 中国銀行で国際送金予定

給与口座ではない上海浦東発展銀行から送金するのは難しそうだった(担当者が海外送金について理解していない)ので、「浦発銀行」から給与口座の「中国銀行」に資金を移し2度に分けて送金を考えました。ただ、結果的に2度目の送金はNGでした。

中国の国外送金上限額

年間の国外送金上限額は14万米ドルです。2回目の送金がNGだったのはこの上限額を超えたためです。そのため来年1月以降に再度送金手続きをするよう言われました。

送金した理由は、パスポート更新が近づいているので、パスポート番号が変わる前に一度今まで稼いだ分を送金しておきたかったためです。(→実際にはパスポート番号が変わっても以前のパスポートを保管しておけば特に問題はなさそうです)

みずほ銀行:国際送金の事前連絡

まず、みずほ銀行に国際電話で国際送金(受取)について問い合わせてみました。

保有口座の支店に問い合わせても「分からない」とのことで最終的に外為Officeの担当者を案内されました。

担当者と話した内容は下記2点

1.外国送金の受け取りに必要な情報について

下記サイトの「外国からの送金を受け取りたい(被仕向送金)」を説明してもらいました。

■参照:海外送金・国際送金を利用したい | みずほ銀行

2.口座情報の再確認

みずほ銀行の口座に紐づいている「住所(私の場合実家の住所)」「メールアドレス」が最新の状態か確認しました。

また今回の当初送金予定額は「高額送金」に当たるので中国の電話番号を教えてほしいと言われました。みずほ銀行着金後日本から連絡するので、その際に資料を送付してほしいとのことです。資料は勤務期間や収入が分かるものであれば何でもよく、中国の銀行に提出した中国語の資料でも大丈夫でした。

※注意

海外送金受取額が3,000万円を超える場合、別途日本銀行に資料提出が必要です。

■参照:外為法に関する手続き : 日本銀行 Bank of Japan

中国銀行:外貨両替(国際送金)に必要な資料

中国銀行で人民元から日本円に両替する際に必要な資料は下記の通りです。

  1. パスポート
  2. 就業証 (または专家证)
  3. 収入証明書(会社印が必要)
  4. 納税証明書(税单)
  5. 労働契約書

収入証明書

収入証明書は特に決まったフォーマットはありません。

作成したのは、概要(姓名、パスポート番号、会社の在籍期間、総給与額)ページと明細(各月の給与、税金等)ページの2つのフォーマットの内容です。

納税証明書

納税証明書は税務局(天山路)に行って受け取りました。「〇年〇月~現在までの税単が欲しい」と伝えれば大丈夫です。

納税証明書のフォーマットは2種類あるようです。両方とも問題なく処理できましたが、最初に両替した際に「盖章」形式の方が望ましいと中国銀行の係員に言われました。「我要盖章的」と税務局の人に伝えれば通じます。

外貨両替可能金額の計算

「人民元」から「日本円」の両替可能金額は納税証明書から逆算した給与額を使って計算されます。

例)2020年給与10万元、2021年給与12万元、2022年給与15万元の場合37万元が両替可能金額です。

このうち11万元を両替したい場合は、2020年の納税証明書と2021年1月分の納税証明書を使えばOKです。一度両替に使用した納税証明書は再度利用する事は不可です。そのため、次回以降は2021年2月~2022年までの26万元が両替可能になります。

※注意

2020年1月~2021年1月の納税証明書を使って両替する場合は、その期間の資料が全部そろっている必要があります(2020年1月~2021年1月当時の労働契約書、就業書、パスポートが全部必要)。

中国銀行:外貨両替(国際送金)窓口手続き

12月20日 必要な資料を用意し中国銀行の窓口で手続きしました。

資料は全部用意して事前に電話連絡もしていたので、特に問題はありません。ただ、手続きに時間がかかり結局1時間20分ほど待ちました。

最終的に400,074.52元を7,090,000円に両替(交換レート1元≒17.72円)しました

外貨両替には手数料はかかりません。ただ、買いレートと売りレートに差がありその差分が実質の手数料にあたります。

その後、円をみずほ銀行の口座に送金します。手数料は「円で払うか」「元で払うか」聞かれたので元払いを選びました。

海外送金手数料(元)

今回の送金では下記2つの費用がかかり合計328元

  • 个人跨境本外币电汇手续费 208元
  • 对私国际发电电讯费 120元

みずほ銀行に入金された額は、みずほ銀行側の海外送金受取手数料(2,500円/1件)が引かれた分です。

12月22日 再度手続きを行いました。

私は過去の就業証を無くしてしまったので、今保有している就業証の有効期間分で前回の送金額を引いた給与金額756,405元を13,500,000円に両替(交換レート1元≒17.85円)しました

冒頭に書いた通りこの日本円は日本に送金不可だったため、中国銀行の日本円口座に保有したままです。

まとめ

中国で稼いだ人民元を円に両替して日本に送金しました。少額の送金であれば資料がそろっていれば特に問題ないですが、高額送金は手続きが大変です。

送金額によっては、過去の就業証・労働契約書・パスポートが求められるので、期限切れのこれら書類は必ず保管したほうが良いです。私は過去の就業証が見つからず、これ以上両替したい場合は別途資料を用意する必要があります。

今後の日本円の資産運用

今回日本の銀行の普通預金口座に円を送金しましたが、海外駐在員がこの日本円を使って資産運用をする事は難しいです。

▼海外駐在員が日本円の資産運用できるか調べた過去記事

ai-china.hatenablog.com

今までは、「中国の銀行理財商品」で資産運用していたため毎日150元以上の利息があったのですが、今後は資産運用収入が減る事になります。

本来は人民元を香港に送金して暗号資産投資を考えていましたが、現状難しそうなので断念しました。

ai-china.hatenablog.com