クオンツ投資セミナー 投資プログラムの評価と性能改善

今日はクオンツ投資セミナーの5回目でした。

今回のテーマは投資プログラムの評価と性能改善についてです。

  • 評価指標について
  • 良い戦略とは
  • 性能改善方法について

評価指標について

過去の相場のデータを使用し投資プログラムをシミュレーションする際に、取引結果をどのように評価するかについて話がありました。特に重要な指標は下記の3つです。

  • 年化收益
  • 夏普比率(Sharpe Ratio)
  • 最大回撤

「年化收益」とは、シミュレーションした期間の利益を年換算の収益率にしたもので一般的には複利で計算します。資産に対し何%利益をあげたかを表す重要な指標です。

「夏普比率」はリスクに対するリターンを表す指標です。株式取引を行うプログラムでは、この指標が1.0以上であるべきで、1.5より大きければ合格点です。

「最大回撤」は、シミュレーション期間における最大損失割合です。この値が小さいほどリスクが低いプログラムだと言えます。

良い戦略とは

これら評価指標に基づいて戦略(売買シグナル、損切り利確、資金管理)を調整、検証する流れは下記の通りです。

  1. 目標を最初に決める(低リスク低リターン、高リスク高リターンを目指すなど)
  2. 目標に戦略が合致しているかシミュレーション(収益とリスクから)
  3. 戦略が安定して成果が出せるかシミュレーション(異なる期間でのテスト)
  4. 心理準備を行う(実際の相場で運用後の想定外の動作に対する対処)

実際の株取引はバックテスト(過去相場でのシミュレーション)と異なる点があります。

  • ストップ高で必ずしも購入出来るとは限らない
  • 始値(終値)で必ずしも購入出来るとは限らない
  • 自分の購入・売却が株価に影響を与える
  • 売買停止株は購入できない。

それ以外にもバックテストでの売買回数が少なすぎで正しくプログラムが検証されていないという事もあります。最低でも200回は取引が行われるようにプログラムを検証する必要があります。

性能改善方法について

 最後に各評価指標を改善するための方法について話がありました。