先週から始まった中国のクオンツ投資セミナーを受講しています。セミナーのタイトルは「初阶!量化交易:策略编写及系统搭建」。クオンツ投資のプログラムやシステム構築に関する初級セミナーです。
クオンツ投資とは、高度な数学的手法を用いて市場を分析し、決められたプログラムに基づいて運用する投資方法のことです。この手の金融系のセミナーは受講料が高いことが多いのですが今回の講座は初心者向けという事で安かったので受講してみました。
クオンツセミナー概要
- 1回2時間×6回(毎週火、木 20:00~)
- 受講料 199元
- 清華大学「金融ビックデータとクオンツ分析」のカリキュラムを担当している講師陣による解説
初回講義内容
1回目の講義は下記の通りです
- クオンツ投資発展の歴史
- クオンツ投資と主観投資の関係
- クオンツ投資の戦略概要
- 理系学生がクオンツを学ぶ事のメリット
- クオンツ投資の基本フレームワーク
- 必要な金融・数学基礎知識(お勧め参考書)
初回と言う事でクオンツ投資の概要の話だけで具体的な取引手法についての解説はありませんでした。
中国の株式ファンドの規模は2.8万億元。そのうちクオンツファンドは1,600億元。これはアメリカと比べ非常に低く、まだまだ発展の余地が大きいとのことです。また、ここ10年の中国の株式市場でのリターンはクオンツファンドが相対的に良いパフォーマンスが出ています。
リチャードセイラー(17年ノーベル経済学賞)の理論にもあるように人間は意思決定を行う際、成功を求めるより失敗を恐れる気持ちが強く、また感情によって冷静な判断ができないという事があります。その点もプログラムによる取引で解消することができます。
今回の講座はトータルで12時間。当然この短い時間だけではゼロから実用に耐えうるクオンツ投資システムを構築するほどの内容を学べません。セミナー全体を通して、プログラムを見てある程度理解できる、各クオンツ分析手法の概要を理解し自分にあった投資手法を把握するのを目標としています。
中国株 今後の見通し
講義の最後に中国株の今後の見通しについて話がありました。講師陣のグループでは去年12月末時点でフルインベストメント(ほとんど現金では持たずに株などのリスク資産を全額購入)だったのが、先週金曜日(22日)に上海総合指数が2800を超えた際に短期的にこれ以上の上昇は難しいと判断して6割の株式を売却したそうです。