今週、中国では立て続けにコロナ対策の緩和を打ち出して、「一人のコロナ感染者も許さない」ゼロコロナ政策が終わりました。
先週上海で規制強化を発表したばかりだったので突然の方向転換です。最近の対策緩和と今後の懸念点などをまとめました。
コロナ対策の推移
上海の公式発表(上海发布)を見返してみると、先週上海市では感染者が100人を超え規制が強化されました(飲食店等に入るには48時間以内のPCRが必要へ)。
ところが、今週(12/07(水))中国政府がコロナに関する大幅規制緩和措置「关于进一步优化落实新冠肺炎疫情防控措施的通知」を発表。
上海市では、この規制緩和を下記日付から実施すると発表。
12/08(木)
- 濃厚接触者の隔離は5日間の自宅隔離へ
- 市外からの上海に来た際にPCR検査不要。また公共施設への入場規制も廃止
12/09(金)
- 無症状感染者と軽症患者は、隔離条件が整っていれば在宅隔離を基本とする。隔離6,7日目に2回連続PCR検査を行い問題なければ隔離解除
- 密室娯楽施設、飲食店でもPCR陰性結果は不要。
今までは大半の上海市民は2日に1回程度のPCR検査を受けてきましたが、今後は検査不要となります。(学生や通院する場合を除く)
また、全国的に省跨ぎの移動制限も無くなり国内旅行に自由に行けるようになりました。
今後のコロナの状況
セロコロナ政策は終わりましたが、コロナウイルス自体が無くなったわけではなく、今後中国全土に蔓延していくことが予想されます。
一足先にゼロコロナ政策を諦めた台湾の感染状況を見てみると・・
ゼロコロナ解除後、急激に感染が広がり1日8万人を超えています。
中国の人口は台湾の60倍。単純に割合で考えると中国では1日480万人の感染者が出てもおかしくないです。更に中国本土では、中国国産ワクチンしか受けておらず3回目接種から時間が経過して抗体も落ちているのでもっと感染者が増える可能性もあります。
今までゼロコロナ政策のおかげでコロナとは無縁だった地方都市にまで広がり、医療崩壊(病院での集団感染による医者看護師不足)が起きないか心配です。
私の会社の子会社がある地方都市(人口600万人超)も、今までコロナとは無縁で2020年3月以降ロックダウンも発生しておらず、PCR検査もほとんど受けた事が無い人が大半です。このような地方都市にまでコロナが広がることになります。
まとめ
今週中国ではコロナに関する大幅な緩和を発表しました。上海では市民に半強制的に課していた定期的なPCR検査が不要となり、無症状感染者は捕捉しない形となります。
昨日、今日の中国のニュース番組を見ても「発熱しても安易に病院に行かないように。」「オンライン医療を使うように。」「自宅隔離になった場合の過ごし方」など今までと真逆な内容を放送していました。
ここまで緩和したのであれば、中国入国に関する隔離ルールも改善する可能性が高そうです。
私は、先週の規制強化のタイミングで保有していた香港株(ハンセン指数ETF)を売却してしまったのですが、コロナ緩和政策の発表によりその後大幅に値上がりしています。
結局、12/06にハンセンテック指数ETFを買いなおしました。