今月、イーサリアムの「Ropsten」テストネットに「The Merge」アップデートが反映されました。
「The Merge」はイーサリアムのコンセンサスアルゴリズムを現在のプルーフ・オブ・ワーク (PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行する大型アップデートで、テストネットでの検証後メインネットにも適用される予定です。
今回、PoS移行後の「Ropsten」にスマートコントラクトをリリースし、ガス代・処理速度などに変化があったのか検証してみました。
MetaMaskで「Ropsten」接続
まず、暗号資産ウォレットMetaMaskで「Ropsten」に接続してみます。
今まで保有していたイーサが「RopstenETH」に名称変更されています。※「The Merge」以前は「ETH」で表示されていた。
▼イーサスキャンで「The Merge」以前の私のアドレスと取引履歴を確認します。
以前の取引履歴は全て残っています。当たり前ですが、コンセンサスアルゴリズムが変わっても以前の方式でブロックチェーンに記録された情報は保持されています。
スマートコントラクトをリリース
以前作成したブログ投げ銭のスマートコントラクトをPoS移行後の「Ropsten」にデプロイします。※remix IDE使用
▼スマコンの詳細は過去記事参照
デプロイ時のガス代として0.002311RopstenETHが必要でした。
5か月前にテストした時と同じように各関数を呼び出します。
ブログ記事から「送金」ボタンを押して、クライアントのMetaMaskからスマートコントラクトに送金します。
送金後、お礼のURLを受け取るまで15秒ほどかかりました。この処理速度は「The Merge」以前と大体同じです。
今回の各処理で必要だったガス代は以下の通りです。
- デプロイ:0.002311445006ETH
- setSecretURI():0.0001748475ETH
- tip():0.00010915ETH
- withdraw():0.0000761125ETH
▼詳細
https://ropsten.etherscan.io/address/0xd10d946C28e0F44F3f2dbDc008e2663aE328a537
5か月前に「Ropsten」で検証した際のガス代
- デプロイ:0.00265ETH
- setSecretURI():0.000286ETH
- tip():0.000211ETH
- withdraw():0.000106ETH
ガス代はネットワークの利用状況(時間や日にちが異なると)大きく変わります。ただ、大まかに比較すると「The Merge」前後であまり変わっていないように見えます。
まとめ
PoS移行後の「Ropsten」ネットワークにスマートコントラクトをリリースし、変更前とガス代や処理速度を比較してみました。
一通りの処理を試してみましたが、特に変更を体感できるような点は無く、ガス代・処理速度共に以前と変わらなかったです。
と言うのも、今回の「The Merge」はコンセンサスアルゴリズムが変わるだけのものです。マイニングが無くなるので電気代を無駄に消費せず環境に良くなるという事はありますが、現在の取引速度の問題や手数料の高さを改善するものではありません。
取引速度向上のためのアップデート(シャーディング実装)は別途開発が進んでいて、「The Merge」の後にメインネットに反映されるようです。
今後の暗号資産投資
以前から書いているようにブロックチェーン技術やweb3は将来的にまだまだ発展すると考えています。
そのため日本帰国後は、資産の大きな割合を暗号資産へ投資しようと考えています。
暗号資産相場全体が去年のピークから大分下がっていて値ごろ感がでています。