在宅勤務3週目~テレワーク方法(リモートデスクトップ)と課題

私の会社では、新型コロナウイルス対策として2月3日より在宅勤務としています。

在宅勤務3週目となりましたが、不便な点はあまり無いのでコロナウイルス問題が落ち着くまではこのままで良いのではと思っています。私の会社でのテレワーク方法(リモートデスクトップ)と課題についてまとめてみました。

テレワーク方法

総務省のテレワークセキュリティガイドラインによるとテレワーク方法は下記6パターンに分類されています。

テレワークセキュリティガイドライン 第4版 総務省 別紙3

  1. リモートデスクトップ方式
  2. 仮想デスクトップ方式
  3. クラウド型アプリ方式
  4. セキュアブラウザ方式
  5. アプリケーションラッピング方式
  6. 会社PCの持ち帰り方式

このうち私の会社では1.リモートデスクトップ方式を採用しています。オフィスの各社員のPCを起動しておき、自宅のPCで遠隔操作をする形です。

リモートデスクトップ事前準備

具体的には自宅のPCから会社のネットワークにVPN接続し、ローカルIPを指定してWindows標準のリモートデスクトップでオフィスPCに接続します。

これらを実現するために必要なもの・設定は下記の通りです。

オフィス側で必要なもの
  • VPNに対応したルーター
  • Windows10 Pro PC
  • ウイルスソフトの設定

ルーターはH3C社(中国ローカル企業)の製品を使用しています。元々は上海の会社のネットワークと地方子会社のネットワークを「拠点間VPN」で接続するのに利用していました。今回、自宅端末からも会社ネットワークに接続できるよう「リモートアクセスVPN」の設定を追加しました。VPN接続方式は「L2TP/IPsec」を使用しています。

2020/04追記 テレワーク助成金について

東京都は、新型コロナウイルス感染症等の拡大防止対策として、2020/03/06~05/12まで都内企業のテレワーク環境整備を支援する助成金を募集しています。VPNルーター及び機器の設置・設定作業費も助成の対象で250万円まで全額補助されます。

事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 開始(第70報)|東京都

国(厚生労働省)にも似たような補助があるので、機器を購入する場合は利用をお勧めします。

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

オフィスPCのOSがWindows Homeエディションでは、リモートデスクトップのホスト側(遠隔操作される側)としての利用はできません。ホスト利用にはProやEnterpriseエディションが必要です。また、標準設定では接続不可のため設定を変更します。

▼コントロールパネル⇒「システムとセキュリティ」⇒「リモートアクセスの許可」⇒「このコンピューターへのリモート接続を許可する」

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※Active Directoryを導入している場合は、AD側で一括設定が出来ます。

私の会社で使用しているウイルスソフト(カスペルスキーインターネットセキュリティ)でもリモートデスクトップ接続が標準では不可となっているため設定を変更しました。

自宅で必要なもの
  • VPN接続に対応したPC

通常のWindows PCであればVPN接続やリモートデスクトップのクライアント機能が標準でサポートされています。OSがWindows Homeエディションでもリモートデスクトップのクライアント側としての利用は可能です。

MacからWindowsへリモートデスクトップ接続を行う際にはMicrosoftが開発したMacアプリ「Microsoft Remote Desktop」を別途インストールする必要があります。同じくAndroidやiOS向けにもMicrosoft純正リモートデスクトップアプリがありますが、スマホで会社のPCを遠隔操作して通常業務を行うのは難しいです。

何故リモートデスクトップか?

テレワークでリモートデスクトップ方式を採用している理由は下記の通りです。

  • 会社がデスクトップPCのため家に持って帰るのが難しい
  • 会社PCに業務上必要な有料ソフトが入っているため、自宅PCでは作業が難しい

自宅PCから会社のPCを遠隔操作で作業することになりますが、私の自宅の遅いネット回線でもタイムラグがほとんど発生していません。直接PCを操作するのと同じ感覚で作業が出来ます。

リモートデスクトップ方式のメリット

リモートデスクトップ方式のメリットとしては、

  • 普段オフィスで利用している環境がそのまま利用できる
  • 自宅端末は特別な設定は不要
  • ファイルの操作は、オフィス側端末で行うため自宅端末にはデータが残らない

などがあります。

テレワークでのセキュリティ対策

今回はコロナウイルス問題が発生したため急遽テレワークでの作業となりました。そのため、セキュリティについては急ぎ「総務省のテレワークセキュリティガイドライン」の内容を確認しています。

この資料には経営者、システム管理者、テレワーク勤務者が行うべき対策について

  • 「実施するべき基本的な対策」(基本的対策事項)
  • 「実施することが望ましい対策」(推奨対策事項)

の2つに分類して分かりやすく記載されています。特に基本的対策事項はテレワークをする際には一通り目を通しておいた方が良いかと思います。

テレワークでの会議・連絡方法

各社員との連絡や会議はSkypeで行っています。最近話題のWeb会議サービス「Zoom」も利用してみましたが、普段使い慣れているSkypeと比較してあまりメリットを感じられませんでした。

テレワークでの課題

2週間テレワークで作業を続けてきて、いくつか課題も出ています。

1.テレワークで出来ない作業がある

経理関係の請求処理や送金などはテレワークで出来ないので、オフィスに出勤して作業してもらいました。

2.テレワーク環境が整っていない社員がいる

  • 自宅に解像度の低いノートPCしかない
  • 自宅にネットワーク回線がない(スマホ回線でネット接続)

といった、テレワーク環境が整っていない社員がいます。この場合オフィスで作業するより不便となりますが、今は仕方が無いです。

3.セキュリティ対応が必要

先日会社のVPNに対して見知らぬIPアドレスからアクセスがありました。IPアドレスは浙江省の電信のもので、うちの会社には浙江省で作業をしている人はいません。

接続をブロックすると実は私の端末からだったので、家からの接続が切断されてしまいました。私の家は中国移動の安い回線を利用しているせいか、ネットワーク経路を確認すると何故か広東省や浙江省を経由しています。

このようにセキュリティの調査、対応に少し時間がとられることがあります。

まとめ

我々の業界はテレワーク作業と相性が良く、大部分の通常作業については問題なく対応できています。コロナウイルス問題に関係なく、やろうと思えば今後もテレワーク作業でいけそうです。当たり前ですが、同じ成果が出るのなら働く場所はあまり関係ないです。